山頂から海へ、パート1

バイクとスノーボードで制覇する山頂

セバスチャン・「バスティ」・クーンはドイツのバンベルク生まれ。現在はチロル山脈に囲まれたトレーラーハウスで暮らしています。プロスノーボーダーである彼は自身のことを「現代の遊牧民」と呼び、トレーラーハウス暮らしが最高だと話します。

学校を卒業してすぐ、自分の人生にはスノーボードが欠かせないと自覚したバスティ。彼はその後、ヨーロッパのスノーボードシーンになくてはならない存在となり、スノーボードブランドNITROでマーケティング業務をしながら、スノーボードに情熱を傾けています。ですが、バスティにはもうひとつの顔があります。彼は熱いバイク乗りでもあるのです。

プロスノーボーダーとNITROチームライダーが1年中スノーボードに乗っているのなら、バスティもきっとそうすることでしょう。しかし、スノーボードで舗装道路を滑るわけにはいきません。そこで彼は、トライアンフのタイガー800 XCAに跳び乗り、オーストリアのカウナータール氷河で開催されるイベント「キャンプ・グッドタイムズ」を目指したのです。

大パノラマの中を愛車で駆け抜けた話を聞きながら、バスティとともに氷河への旅を体験しましょう。

スノーボードからツーリングへ

ここ30年で最も積雪の多かった冬も終わりが近づいてきました。もちろん、スノーボーダーにしてみれば、寒い季節があと数カ月続いてくれればと願うところです。しかし、季節の移り変わりは止められませんから、そろそろシーズンはおしまいです。後は太陽が降り注ぎ、イベントが盛りだくさんの夏を楽しみにしましょう。でもちょっと待ってください。氷河まで足をのばして最後の一滑りをするという手があります。幸い、この時期は雪や氷に悩まされずに旅することができます。

今年のツーリングシーズンを目前に控えた私は、トライアンフのタイガー800 XCAが自分のものになるという喜びでうきうきしていました。タイガーはそのずば抜けたオフロード性能に加え、テクノロジーとパフォーマンスの大幅な進化がすでに雑誌などで話題になっており、乗ってみたくてたまりませんでした。氷河まで旅することにした私はこう思いました。「スノボもバイクも両方楽しみたい」 タイガー800 XCAには実用性に優れたアドベンチャー向けのパニアケースが装備されていますので、スノボとバイクの装備を無理なく載せることができました。

カウナータール氷河で開催されるイベント「キャンプ・グッドタイムズ」は目的地にぴったりでした。到着した日は晴れて暖かく、氷河でスノーボードを楽しむには絶好のコンディションでした。目の前には氷河の絶景が広がっていました。

カウナータール氷河のイベント「キャンプ・グッドタイムズ」へ向かう

氷河でカービング

ファイヒテンからカウナータールへと続く30キロの道路は標高2750mまでぐんぐん登っていきます。29のカーブと絵のような風景を満喫できます。そのルートを3分の1ほど走ると、フィヨルドのような湖に沿って道が蛇行し始めます。水量や季節によっては、湖をぐるりと遠回りして、月面のような岩だらけの場所を通ることもあります。95馬力の新型タイガーなら、なんの問題もありません。コーナリングや加速の素晴らしさも走る歓びを増幅させてくれますし、どんなときも思い通りに反応してくれます。

湖から氷河に向かう途中にはたくさんのマーモットがいて、不意に道路を横切ったりします。マーモットはすばしこい生き物ですし、タイガーの操縦性も優れているため、幸運にも衝突することなく、無事に目的地に到着しました。ヒヤリとした瞬間は2~3度ありましたが。

ヒヤリとしたと言えば、雪解け水が道路に流れこんでいるカーブも何カ所かありました。山頂近くの気温はかなり低いため、道路から谷へと水が流れ落ちているカーブを走行するときには十分な注意が必要です。

斜面を滑降

山頂に着いたら、GORE-TEX®採用のトライアンフ純正ウェアを脱ぎ、スノーボードウェアに着替えます。キャンプ・グットタイムズは、キャンプ好きの人達にとってシーズンの最後を飾るイベントです。NITROチームライダーにとっても、雪の上でチームメンバーが集合する最後の機会となります。プロスノーボーターの多くは厳しいシーズンを戦い抜いてきています。特に、昨年はオリンピックもありましたので、とにかく時間を有効に使うことに心を砕いていたはずです。

ですが、シーズン最後となるこのイベントでは、誰もが純粋にスノーボードを満喫します。プレッシャーを感じることなく、友人達とともに滑り、素敵な時間を過ごすのです。スノーボードを楽しむ者同士が集う素晴しいひととき。スキルのレベルに関係なく、皆が仲間です。アマチュアが今をときめくスター選手と一緒に滑ったり、卓球をしたり、ビールを飲んだりするのです。

夕方になったら、キャンプとたき火ができて、タイガーを停めておける場所を見つけます。

夕方になったら、キャンプとたき火ができて、タイガーを停めておける場所を見つけます。濡れたスノーボードブーツを脱いだら、山のレストランのテラスでゆっくりとコーヒーを味わいます。山並みに太陽が隠れる頃、 私は静かにその日を思い返します。この時期、この数週間、私はまったく異なる気候を楽しんでいます。緑が目立ってきた谷間の道路はツーリングコースとして申し分なく、氷河の状態はスノーボードに最適です。雪をかぶった山頂から眺める谷間の景色は、何ものにもかえがたい貴重なものです。

帰り道の途中、冬が別れを告げるかのように雪が降り出しました。幸い、風や悪天候に備えて準備は万全にしてありました。走っていると、バイク自体も注目を集めるのですが、スノーボードを背負って走っている私がとても目立つらしく、すれ違うライダーが親指を立てる仕草をしていったり、料金所の女性に写真を撮られたりしました。

思い出に残る数々の瞬間に彩られたウィンターシーズンもあっという間に過ぎ、この週末で終わりを迎えます。でも実は、次の旅をもう計画中なんです。職場でしばらく仕事に集中し、夏がやって来たら、私は再び屋外へと飛び出します。荷物を満載したトライアンフで走り出すのはもうすぐです。次は海に向かいます。

私は頼れる相棒タイガー800 XCAとともにフランス南部のセノッスに向かい、そこで友人を訪ね、波乗りをし、シーズン中に酷使した体をビーチで休める予定です。もちろん、途中で少し遠回りをして、ジェノヴァやニースにも立ち寄るつもりです。詳しい話は次の機会に。パート2でお会いしましょう。

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写真:Markus Rohrbacher manusmarkus

ストーリー:Nitro Snowboards nitrousa